筋肉は伸びません!

筋肉は温めて柔らかくなった御餅のようにどんなに引っ張ったとしても伸びることはありません。

私は無理なストレッチ(本人は無理な刺激量ではなかったと50歳以上の方は言われます)で筋肉を断裂し回復までに3か月以上経過した患者さんを改善した経験が多数あります。

一方で元の長さ以上に伸ばすことはできませんが、本来の長さに戻すことはできます。

具体的に言うと、開脚や長座や胡坐で前屈して胸がつく超人的な柔軟性の方は1パーセントです。

体が硬い方でも両肘が床に着くレベルであれば可動域は十分なのです。

柔軟性においても半分は遺伝的なものなのです。

このような理由で、もとの長さが短い方は今以上の可動域は改善できたとしても、筋肉や腱が長く前後開脚や横開脚が200度以上できる超人的な柔軟性は獲得不可能なのです。

この現実がわからないと、最悪の場合無理なストレッチで筋肉が断裂してしまう結果となるので注意が必要です。

筋肉と骨をつないでいる組織が腱。

骨と骨を組織が靭帯。

靭帯は全く伸びない組織だという事はセラピストならだれでも知っている常識です。

しかしながらなぜか筋肉は伸びると誤解しているようです。

ところが筋肉はどんなに温めたとしても、餅のように伸びる組織ではないのです。

空を飛ぶことができる鴨の肉を伸ばしてみてください。

全く伸びないことがわかります。

あるいは回遊魚の肉を伸ばしてください。

全く伸びない事がわかります。

そのことから筋肉は限界以上に伸びないことがわかるはずです。

毎日魚や肉を調理している方なら、筋肉は十分に加熱してもちのように伸はないことがわかるはずです。

ホットヨガが大流行です。

しかしながらどんなに温めたとしても可動域の限界異常に筋肉は伸びないのです。

終戦後のしばらくの期間は鶏肉を食べることは年に3回以内の方が大多数でした。

そして食べる鶏肉は、若鳥ではなく卵を産まなくなった筋肉が筋だらけの古い鳥でした。

関節の痛みの大半は関節被膜の拘縮を適切なケアーで改善することで完治するものです。

完治しないケースは、病気の関節炎(リュウマチ性関節炎、感染性関節炎、化膿性関節炎など)であるか、または老化により関節被膜が経年劣化したものか、運動や外傷でボロボロになった状態の関節炎です。

具体的に変形性膝関節症を例に説明します。

衝撃などで半月板や側副靭帯あるいは前十字靭帯を損傷して再建する手術を受けたとします。

手術とリハビリによってスポーツ選手であれば現役に復帰できます。

また一般の方ならば軽作業であれば1か月、重労働であれば3か月で仕事に復帰できます。

やがて45歳以上になると痛みを覚えるようになります。

そして55歳以上になると、関節の変形がひどくなり正座を希望する方は骨切り術という手術を選択します。

60歳以上であれば人工関節置換術を選択します。

その理由は人工関節置換術のほうが回復が早く(3か月)大多数の方が再手術の必要がないのです。

完治率は80パーセントで残りの20パーセントもほぼ完治した状態になるのです。

残念ながら人工関節は米国製で、正座ができる状態にはなりません。

一方で骨切り術は正座ができる可動域まで改善しますが、手術のダメージがありますので回復までには1年かかります。

そして個人差はありますが、経年劣化により最終的に人工関節置換術を受けることになるのです。

元プロ野球選手で引退後に極真空手(フルコンタクト)をやっていたほどの体力の持ち主である、長嶋一茂さんが股関節の人工関節置換術を受けたことが報道され驚かれた方も多いと思います。

3か月経過して、反対側の股関節に違和感を生じ手術を受ける方も珍しくはありません。

例えば自動車のタイヤは4本とも交換しますね。

手術した関節は新品で、もう片方は古タイヤという事になりますので早晩手術を受けることになるのです。

75歳以上が8人に1人となった現在の日本では、両膝と両股関節の人工関節置換術を受けるケースも珍しくはないのです。

無理な運動や過剰なストレッチは百害あって一利なしです。

平均寿命が30歳であった時代に誕生したヨガは、当時の3倍の寿命となった現代社会には細心の注意が必要です。

同じように1895年に誕生したカイロプラクティックのアジャストメントも45歳以上の方は危険を伴うのです。

私が考案した関節ニュートラル整体のベースは3本の柱で構成されています。

1,カイロプラクティックの最も優れた技術であるモーションパルペーション&マニュピュレーション(動的触診法と手技療法)

2,理学療法の集大成であるPNF(固有受容性神経筋促通手技)

3、体のゆがみを整える筋力トレーニング

勿論それぞれの技術を30年かけて進化発展させてきたのです。

カイロプラクティックのアジャストメントを受けた際になるクリック音は筋肉がこすれた音です。

個人差はありますが、ある年齢になると音が鳴らなくなります。

私は修行時代を含めて47年の臨床経験があります。

最初の17年間は、現在では経験できないくらいの回数のアジャストメントを行ってきましたが、一度も事故を起こしたことはありません。

現在行っている矯正はその当時の技術とは比較にならないほど効果がありかつ安全で再現性があるものです。

開祖と直系の弟子にしかできないといったような技術は本物ではありません。

私は現在でも、安全で確実な関節ニュートラル整体をマスターしたセラピストが60名を超えるようになる活動を行っています。